2017年08月20日
【感想】映画「実写版 銀魂」
■銀魂ファンが望むこと
不謹慎なパロディーが本作の持ち味の一つだろう。
そして、福田雄一監督は、勇者ヨシヒコでパロディーを極めている。
そんな監督がそんな作品を実写化するのだから、
ファンの期待には十分に応えるものになっているのは当たり前だ。
アニメと同様にサンライズをネタにしたシャアとシャアザク、ナウシカのネーヴェのパロディーと関係各位から怒られそうなことをやってしまうのはまさに福田監督の作品で、銀魂そのものであった。
■実写版だからできるおもしろさ
この作品が素晴らしいのは、他のマンガの実写映画と違って、実写映画化だから出せる面白さを詰め込んでいることである。
菅田将暉・新八への「グラブルいじり」、橋本環奈・神楽への千年に「1人の美少女いじり」、近藤・中村勘九郎に歌舞伎の見えを切らせたりと、俳優がキャラクターを演じていることを思う存分に活かしたネタの宝庫であった。
エリザベスのきぐるみ感をイジるメタ発言も実写版の欠点を逆手にとっていじり方であった。
■原作の再現への努力
橋本環奈・橋本環奈にゲロ履かせたり、銀さん・小栗旬に鼻血たらさせたし、中村勘九郎・近藤をきんぴかで光らせたり、原作のギャグ要素をそのまま再現しているはさすがである。
「侍」も重要なテーマであるだけあって、殺陣もそれなりのレベルであった。
ただ、定春のCGがしょぼかったのは悔やまれる。エリザベスのきぐるみ感をいじっていたのだから、定春のCG感もいじって欲しかった。
■プロデューサーの努力
様々なパロディーや俳優いじりをするには、版権元だったり、俳優の所属事務所だったりに交渉をする必要があるはずだ。橋本環奈にゲロ吐かせるだけでも、相当な交渉の労力が必要なはずだ。
それは、とてもとても大変にめんどくさい作業で、この作品の良さをわからないようなプロデューサーだったら、きっとこの作業には取り組まないだろう。
本作は、監督や俳優だけでなく、製作会社、プロデューサーの愛も感じるとても幸せな実写映画化であるといえる。
■太秦という財産
そして、時代劇の撮影スタジオとして同じもの太秦のありがたみを感じる作品でもあった。
実写版ジョジョも同時期にみたのだが、撮影のロケ地がまさかのスペインだったせいで、全然、作品に集中できなかった。
一方、SF時代劇を銘打つ本作は、太秦というぴったりなロケ地があるおかげで、違和感がだいぶ薄れていた。
その反面、後半での宇宙戦艦での戦いはいかにもしょぼいCGで、
前半との明らかなクオリティーのギャップが感じられたのが悔やまれる。
その他、邦画の感想はこちらから。
※ジョジョの感想はこちら
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