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2016年08月03日

【考察】なぜ、「シンゴジラ」をみて泣くのか?

まずは、映画をみよう! 話はそれからだ!
本記事は、シンゴジラをすでに観た人向けに書かれている。このブログを読むよりなにより、劇場に足を運んで欲しい。




さて、泣いた! という感想が聞かれる本作だが、いったい何を言っているんだと思った方も多いだろう。
管理人も観るまでは、一体どこに泣けるのかと、あの「ゴジラ」を観てなくわけがないと。
恋愛要素も人間ドラマも一切ないというからなおさらである。
だが、私も、観ている時に、気づけば涙が溢れているではなか。

なぜ、「シン・ゴジラ」が泣けるのかを真剣に考えてみた。



懐かしい映像に泣いた
子どもの時にみたあの時のゴジラと同じだ。

特撮でぶっ壊れるビル、家屋、逃げ惑う人々それらがどれも懐かしい。
まるで、子どもの時によく行った親戚の家がある田舎の景色を観ているようだ。

ゴジラ第一形態の段階は、昼間のシーンということもありVFXの粗さが目立った様に思える。
ゴジラによって川に押し寄せる漁船や屋形船のCGは正直、ショボかった。
が、これももしかしたら、昔のゴジラらしさをみせるためにあえて、若干のショボくしていたのではないか。
また、遠景のゴジラの姿が、第一段階のゴジラの描写では多用された様に思うが、
遠くからみるとやはりミニチュア感が強くなり、「特撮」を観ている実感が湧いてくる。

色々な世代がみた、これまでのゴジラを我々に思い出させ、ゴジラってこういうものだったと思い出させている効果があるんじゃないかと私は思っている。

他にも懐かしい描写がたくさんあった。例えば、瓦が揺れて割れるシーンである。このシーンについては、素晴らしい解説がこのブログにあったので、引用する。

……

・特撮で重要な.瓦
 日本の特撮映像と瓦は切っても切り離せない関係にある。
 ミニチュアワークで破壊される瓦は、映画の華であった。石膏を墨汁でといて作った瓦を並べ、丁寧に発破や衝撃で破壊すると、それがバラバラに崩れ散る。これは国産特撮ノウハウのカタマリなのだ。
 そしてシンゴジラはほとんどがCG撮影だ。
ちらりと瓦がでるが、しかしそこまでで止めている。これは色々な特撮屋の思いが交錯しているのではないか。(以下略)

全文
90年台に幾つかのゴジラをリアルタイムで観たくらいの私でも、このシーンにははっとなったが、上記の理由からだろう。

自衛隊のかっこよさに泣いた
マシンガン、ミサイルといったギミックをフル稼働させる戦闘ヘリ、一列に並びゴジラを迎え撃つ戦車、無慈悲なまでにロケットランチャーを撃つ自走砲、それらがとてもかっこいい。
自衛隊の活躍もあの時に観たゴジラの風景でとても懐かしい。

だが、自衛隊のかっこよさはそれだけではない。ピエール瀧が演じる、自衛隊員が、戦うだけが自衛隊じゃない、市民を安全な場所に連れて行くのも大事な仕事だ といういうシーンがある(うろおぼえ……)。

東日本大震災や熊本地震といった度重なる災害で、国民を大いに救った慣れ親しんだ自衛隊の姿をみてとれる。この映画は、自衛隊員に限らないが、プロフェッショナルががんばる姿をしっかりと描いているところに好感がもてる。
それは決して劇的じゃないが、私達が普段から見ることができるゆえ、非常に共感しやす描写であり、作品への没入感を高める効果を発揮している。

 ゴジラの造形に泣いた
古き良きゴジラの造形と、21世紀の兵器を持ってしても倒せない強さを持つことに説得力を持たせる質感であることに感動した。

あれだけの火力を誇る自衛隊の猛攻を完全に防ぐ質感、テロとの戦いで威力を発揮した米軍を殲滅するビームを出す体の構造には鳥肌がたった。
※これについても、やっぱり「しまぐにやまと」さんのブログが勉強になった。

日本を壊滅の危機に陥れるにふさわしい説得力をもったゴジラの姿には、まさに荒ぶる神であった。

アメリカに立ち向かう日本の姿に泣いた
劇中にて、竹野内豊や平泉正からは日本がアメリカの属国であることが語られたが、これは現代日本人の多くが感じているだろう。米軍基地がいつまでも減らないのも、TPPを進めなければらないのも、アメリカの意図があるって、どこかで感じている。
そんなアメリカの核攻撃を思いとどまらせ、ヤシオリ作戦に協力させたのである。

意図的だと思うが、ゴジラが自衛隊の第一波を叩きのめすまでの日本政府はとてもとても頼りなかった。
政治家は世論や手続きを、官僚達は、出世を気にしている。これも私達が抱いているイメージと大差はないだろう。

そんな彼らが、あのアメリカを動かしたのだ。
日本に住む人の多くが心揺さぶられる展開だと言える。ジャイアント・キリングは、概して観ていて気持ちいものだ。それが日本にとって超えることができない壁と実感しているあのアメリカを動かした。
これが気持よくないわけがない。感動しないわけがないんだ。

■組織の成長に泣いた

長谷川博己が率いるゴジラ対策チームの成長もだが、何より日本政府、日本という国の成長に感動した。

犠牲を出しながらも、ゴジラを倒す作戦をひねり出す対策チーム、それを通すように、あれだけイマイチな対応をしていた政府も動かすことになった。

映画の序盤、役人は、出世と手続きを気にし、政治家は世論を大いに気にし、ゴジラに対する危機感を欠いていた。その姿は、失われた20年を経験し、経済、外交、教育とあらゆるめんで疲弊しそれに対して対策を撃つことができない我々が抱くいつもの日本政府と重なるものがある。

しかし、後半は一転して、一心に、一丸となってゴジラという危機に立ち向かう。
それは、国民を守るために、アメリカを出し抜き、世界を動かし、そのためには汚い手も使うたくましい日本の成長する姿がみてとれた。
作中でも述べられた様に、ゴジラという危機を通して日本という国が成長していた。

危機感を持つ人も多い、現代日本において、そんな日本が強くなっていく姿に誇らしくなったのではないだろうか。

ヤシオリ作戦に泣いた
ラストのヤシオリ作戦は極めつけといえる。

あれだけの強さを魅せつけたゴジラに対して、日本人が最も嫌う兵器、核を使わず、なんなら電車だったり、重機だったり兵器でもなんでもないもので止めを刺しにいくのである。

そして、自衛隊員、血液の凝固剤をつくった官民の研究機関の力、重機や電車を用意したであろう市井の会社の人々、そして作戦を立案した長谷川博己演じる役人、ついでに石原さとみ率いる在日米軍それらが一丸となって日本の危機に立ち向かう壮大なスケールは、プロジェクトXそのものである。

(ラストシーンを観ている時には私の脳内では中島みゆきのあの歌が流れていた。)

ゴジラが倒れなかったら作戦が成り立たないだろとか、どうやってゴジラの側まで重機を運んだんだとか、よく電車が通る線路は無事だったなとかいう、無粋なツッコミも吹っ飛んでしまうかっこよさだ。

日本はまだ世界を驚かせられるという期待に泣いた
パシフィック・リムのデル・トロ監督は、日本の特撮の影響を受けたことで知られるが、それも過去の話で世界を驚かせる映画なんて、もうできないんじゃないかと思っていた人も多いんじゃないだろうか。

アニメといったオタク向けコンテンツは安定の強さだが、ハリウッド映画に比べれば、市場は小さい。
攻殻機動隊だって、実写化するのはハリウッドだ。
我々、ゲーム業界人も、かなり苦戦し、洋ゲーの凄さに驚いてばかりいる。

実写版パトレイバーを観た時に、私は日本映画の限界を感じた。イングラムが動く姿をもっと観たいと思っても、予算がいかんせん足りていないことは明らかであった。

だが、この映画は、もうビルはぶっ壊しまくりだし、VFXもそれなりだし、なによりゴジラが映る時間がとてもとても長かった。お腹いっぱいだ! 恋愛要素や人間ドラマを極力排し(ジャ○ーズも、A○Bといった話題作りのキャスティングも排し)
ゴジラとそれに立ち向かう人たちのがんばりをこれでもかとみせてくれた。

これにはぶっちゃけ相当お金がかかる。これだけのことをやってのける、ゴジラというコンテンツの凄さに感動した。日本映画、そして日本の底力をみた。

日本映画も、日本もまだまだこれからだ


そう心から思わせてくれるから、きっと泣ける映画なんだと思う!

おわり。
※もう一度みたあとに、正確な記述に修正かも……。

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※「ゴジラ キング・オブ・モンスターズ」をみてきたので感想を書きました。こちらから



 

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sonykichi at 23:23│Comments(8)映画 | 邦画

この記事へのコメント

1. Posted by いごっそう612   2016年08月04日 07:04
日本映画も、日本もまだまだこれからだ
と思えますよ。
是非劇場へ!
2. Posted by ブログ管理人   2016年08月04日 10:27
まったくそのとおりです!

また、劇場にいってきます!
3. Posted by 通りすがり   2016年08月04日 16:21
最後の言葉につきますね。
日本の映画、特撮でもここまでやれるんだ、という希望をくれた映画でした。
4. Posted by ブログ管理人   2016年08月05日 23:40
ご賛同ありがとうございます。

ほんとに希望をくれました。この映画に関わる全ての人にありがとうと言いたいです!
5. Posted by 通りすがり   2016年08月07日 22:48
5 大変素晴らしい文章ですが、うろ覚えです。未だにうる覚えっていう方がいらっしゃるとは…。"いちよう"、"ふいんき"レベルの間違いですよ。
6. Posted by ブログ管理人   2016年08月08日 23:01
うろ覚え、心に刻みます。
ありがとうございます!
7. Posted by 坂本龍馬   2016年09月12日 03:18
1 感想を読んで、見るに値しないと確信した。50年以上前の財産を食いつぶしただけ。全て聞き飽きた設定。新しい事する能力が無いんでしょうねえ。
8. Posted by ブログ管理人   2016年09月13日 22:00
コメント頂きありがとうございます。
そういわずに一度は観て欲しいです。

3.11後のゴジラ、50年前とは意義も意味も違っていると思いますよ。

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