2016年01月10日
【レヴュー】「真田信繁 - 戦国乱世の終焉」
↓読んだよー。
まあ、小説ではなく解説書ですが本のカテゴリーがすくないので、
小説のカテゴリーに入れて書いています。
まあ、小説ではなく解説書ですが本のカテゴリーがすくないので、
小説のカテゴリーに入れて書いています。
■概要
真田信繁の人生とその時代の解説する。
特徴的なのが、
1.日本は、室町時代まで、西日本と東日本(関東以北)で別々の行政府が支配していたという考え方
2.徳川の上杉討伐と関ヶ原の戦いは別物で、真田信繁・昌幸は上杉勢に加勢したに過ぎない。
3.信之は真田の家名を残すために家康に残ったのではなく、徳川から所領をもらっている大名だから徳川についただけ
4.家康は、秀頼を西日本の統治者として生かすつもりだった
という考え方。
で、それが説得力あるかっていうと、ないねー。
通説に異を唱えるわけだから、
よっぽどの整合的なことを言わないといけないけど、いっててないねー。
例えば、関ヶ原の折に徳川秀忠が上田城を攻めたのは、
西軍討伐の一環じゃなくて、上杉討伐のために過ぎず、
秀忠は別に関ヶ原で家康と落ち合う予定はなかったという。
が、後半、大阪の陣にて、関ヶ原の遅参の汚名をすすぐべく、
積極的に戦闘に参加すると書くので、矛盾してるんじゃん! って思ってしまった。
また、上杉景勝は、三成と共謀していないと主張する。
さらに、結果、敵になってしまった伊達や佐竹とは協力を取り付けていて、
旧領である越後を手に入れるために兵をあげたという。
そして、関東管領の家名を継ぐ上杉家の悲願である関東を手に入れようとしていると筆者は考える。
上杉の作戦、ズブズブだろ。単独で家康に勝てる国力もってないじゃん。
そして、本当にそう考えるなら、なぜ、家康を弾劾した直江状が方便に過ぎなかったことを言わないのか……。
そして、伊達はなぜ上杉を裏切ったのか……。わからん。
と、歴史にわかの私は思いました。
■感想
西日本と東日本の地政学的なとらえ方はおもしろかった。
また、、当時の慣習や伝統を説明してくれていて、
それが戦国時代の理解をしやすくしてくれた。
官職とか朝廷とか、幕府の意味合いとか。
だが、前述の様に、うなずけない点が多くて、読みづらかった。
特に後半が、もう非常に読みづらい。
■お勧めしたい人
たぶん、歴史に詳しい人じゃないと楽しめない。
通説と違うことを言っているので、そもそも通説に通じていないと辛い。
歴史にわかが読むべき本ではないと感じた。
歴史に詳しくて、信繁のいろいろな解釈を知りたいって人におすすめ。